2014年2月22日土曜日

夢かなう


昼過ぎウラジオストックに到着しました。大した事故もなく元気にここ出発点にまた戻ってこられました。ホテルのベッドの上で大の字に寝転がっています。夢がまたひとつ叶ったという実感や感動はいまひとつ湧いてきませんが さっそく自宅に電話して安堵する愛妻の声には胸の詰まるものがありました。これで今回の冒険旅行は全て終わりました。

「夢がかなう」。今日はまた長い間もっていた特別の夢が叶いました。信じられませんが、強い願いは叶えられるものですね。神は居る。つくずくそう思いました。

ウラジオストックの街にあと数10分。これが最後のラストラン、長かった旅を振り返りながら走っていました。。。ぬ?なに??なぬ~???三車線の高速道路、通り過ぎてからも何故か猛烈に後ろ髪を引かれる思いに襲われる道端の、どこにでもありそうなガソリンスタンド。

昨年1月18日のプログにも事情は説明させていただいた旅の最初の日の出来事。車のガソリンが一滴も残っておらず 涙も出ないほど苦しんだGちゃんを助け励ましてくれたあのガソリンスタンドの爺さん。会いたくて、礼が言いたくて、ずっとこの1年間、ことあるごとにあの辛かったことや有難かったことを思い出していたのですが。今回も出発初日に半日かけてそのガソリンスタンドを探し回わり結局は発見できずじまい。それだけが今回の旅の一番の心残りだったのです。

どう考えても気にかかるあのガソリンスタンド。道路脇に車を停め。高速道路ですのでUターンはできません、ハザードを点滅させたまま強引にバック。裕に500㍍、1㌔近くあったでしょうか、違っていてもともと。時間をかけバックしました。。。見えてくるガソリンスタンド、バックミラーに映る爺さんの姿!去年 通じるはずもないのにロシア語で延々としゃべりまくったあの人懐っこい爺さん。去年と同じ帽子被って同じヤッケ着て!!。会いたかった人がそこに居る!!。。

狂喜。もう後はどうなったのか分かりません、あわててガードレールにパジェロをぶつけフォグランプが折れ曲がってしまったことくらい。驚きでわが目を疑いながら。転げ落ちるように運転席。駆け寄る爺さん。お互いに熱い抱擁。

Gちゃんにとってはこのガソリンスタンドはロシア冒険旅行の原点です。ロシア語のイエスもノーも知らず、もちろん道路標識も何も読めなかった昨年の冒険旅行。思い出しても胸の痛くなる苦しい毎日でした。読めない、書けない、しゃべれない、聞こえない、そんな極寒の一人旅。シベリアでは日本語はもちろん、英語は全く通じません。買いたくてもガソリンスタンドの在りかさえ知る方法はありません。

舐めたらアカンで!大きなロシアに出直して来いと はじき飛ばされた思いと悔しさ。そして一方 奥の深い暖かいロシアを教えてくれたこの爺さん。昨年のあの出会いがなかったらもう二回とロシアに来ることはなかったと思います、それほどGちゃんにとっては忘れられない恩人であり先生でした。恩人に会いたい、礼が言いたい、それだけで頑張ったような一年間のロシア語勉強でした。

昨年と同じ スタンド横の番人小屋の破れたソファーに座り、こうしてまた恩人に再会できた喜び。涙がこみあげて止まりません。見れば爺さんももらい泣き。お互いに再会を信じられない思いで 今度はロシア語で延々と 年寄り同士自分勝手に思いつくまま 相手が聞こうが聞こまいが。。。野イチゴの自家製ジャムをお土産にもらって来年の又の再会を約束して別れました。爺さん、元気に待っていてくれよ。会おうな、また元気で絶対に会おうな。

夢かなう。おそらくGちゃんは誰よりも世界で一番幸せな男だと思います。素晴らしい旅の 素晴らしい最終日になりました。




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