バイカル湖岸の休養地リストバヤンカ。そういえば今日は土曜日でした。家族ずれがいっぱい。凍った湖の上で実に楽しそう。
すっかり休養したGちゃん、久しぶりに美しい景色に興奮、はいはい、撮りまくりました。もうこれで秋の作品展は決まり。マイナス15度で大変暖かい日でしたが撮影に夢中になっているとさすがにシャッターを押せないほど凍えてしまいます。
夕方ホテルに帰ってきたら休日だからか結婚式をホテルでやっていました。新郎は「てめえ、もっと腹に力を入れやんか!」と言いたくなるほどの菜よなよした男。新婦は何でもテキパキ、才女風。よくあるよなぁこの組み合わせ、恐妻人生その1というパターン。どういう風の吹き回しか披露宴の写真係にGちゃん。入って来いと言う。まかしてんか!一生の記念に残るのを撮ればいいんでしょ!物怖じなんてハナから持ち合わせてないGちゃん、一族がそろって歓びあう新しい門出の幸せを十分楽しまさせてもらいました。長い長い人生、力を合わせ幸せな家庭を築くよう心から願いました。
まだまだ続く披露宴を丁重にお礼を言って部屋にすっかり遅く。明日の出発の準備を始めました。ここイルクーツクを最終地点にウラジオストックに戻ることに決めました。モスクワは目指しません。
3日間十分に休養、同時に素晴らしいロシア、特に普通の人々の暖かい心や親切さ、まじめさ、誠実さに慰められるここ数日でした。おどろくほど素晴らしい人々を垣間見ました。ロシアは奥が深い。長距離トラックドライバーではなく 一つの町に滞在し人々と触れ合えたことが 今まで漠然と感じていた旅の進め方への大きな契機になりました。
モスクワへの道を進めるかどうかはGちゃんなりに十分に考えたつもりです。応援してくれている仲間や友達を思えばここで旅を止めることは断腸の思いがしますし、今のパジェロの状況からすれば可能と判断されます。じゅぶんにロンドンまで走ってくれると思います。赤の広場で校旗を振ってくれよな!という友の冗談もGちゃんには本心でした。
引き返す一番大きな理由は人との触れ合いです。過去に何回も旅行は重ねてきました。恐らく普通の人よりは遥かに、いわゆる海外旅行は経験していると思います。そしてそこで得たものは何か。
南米アンデスの最高峰アコンカグアを登ったことなんて全く覚えていません、覚えているのはラバに登山道具を積んでベースキャンプまで一緒に苦労して登った貧しいポーター達との焚火を囲んだ夜の語らい。染まるような満天の星の下でマテ茶を飲みながら過ごした夜。海外への山はみんなそんな思い出ばかりです。中南米、ヨーロッパそしてアメリカ。いま確信して言えることは、時が経って記憶に残るのは 行ったという結果じゃなく 名も無い人との語らいや触れ合いや思い出のように思います。人との触れ合い、そして自分との対話。貴重なカネと時間をかけてこれを得るために知らない土地を人は旅するんじゃないか。誰の為に生きているのではなく自分自身が納得できる生き方をしてみたい、幸せを願って人々が必死に生きている そんなものを見たい 探したい、それこそがいついつまでも自分の財産として励みとして残っているように思えるのです。
ロシアの片りんにちょっと触れました。そしていちばん感じたことは ロシア語の読み、会話のできない人間にはもったいなすぎるほどこの国は素晴らしすぎるということが見えてきたことです。モスクワへの旅を続けてもそれはそれなりに収穫はあると思います、しかしいったん退却し最低限度の会話のできる自分になって再挑戦する方が当初からの夢を達成できる一番の近道のように思えてきたからです。体制を立て直し出直す方が遥かに大きなチャンスが残されている。これがこれまでもやってきた自分のやり方、そう考えたからです。
万事 変わり者で変人だったGちゃんですが ウラジオツトックへ引き返しいったん帰国させていただきます。ほんとうに皆さんの応援をありがとうございました。期待や夢を裏切って申し訳ありませんでした。ロシア語のおはようも言えない自分が情けなすぎます。今までの経験で何とかなるだろうと思っていた自分に哀れささえ感じます。帰ればGちゃん、歳との競争が待っていますが、必ず必ずまたこの地に戻って来る、そう念じてやみません。ロシア語のできない自分が悔しくてなりません。そんなヤツは出直して来い、この大きなロシアに怒鳴られ叩きのめされた思いがします。悔しいけど出直します。
ごめんなさい、へべれけ。書いてるさいちゅう家族が呼びに来た。カメラはやめて飲みに来い。Gちゃん 酒は弱い、でも美味しい酒なら大好き。言葉はわからんけどヤツラ本当に純朴で誠実。両家の両親の芯からうれしそうな噛みしめる安堵、歓びの表情がたまらなく印象的でした。みんなみんなこういうひと時を味わって幸福に浸るんだね。長い人生、みんなみんな夢を追い求めて生きていくんだね。
乱文おもいつくままGちゃん、読み苦しかったと思います。ここまで読んでくれてありがとうございました。
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